2009年11月4日水曜日

シロクマたちのダンス


シロクマたちのダンスウルフ スタルク (著), Ulf Stark (原著), 菱木 晃子 (翻訳)


  • 単行本: 269ページ
  • 出版社: 偕成社 (1996/05)
  • ISBN-10: 4037265702
  • ISBN-13: 978-4037265700
  • 発売日: 1996/05


離婚をテーマにしていますが、
主人公の少年の成長と家族を問う物語です。
書いたのは、

スウェーデンの児童文学賞を受賞した作家。
とても重厚なテーマなのに、
読みやすい作品です。




シロクマはお父さんのこと。
白衣に白い帽子をかぶって、冷凍室で働いています。
無口だけど、いつも息子を見守ってくれます。
お母さんは看護師。
親子3人で仲良くクリスマスイブを迎えるはずでした。




ところが、
少年はお母さんが別のオトコと楽しそうに歩いているのを見かけてしまいます。
やがて、お母さんはオトコの子供を妊娠していることを知るのです。
幸せなクリスマスを境に、
家族はバラバラになります。




「新しい家族」の元で暮らすうちに、主人公はすこしづつ変化します。
だけども、白熊をいつも思ってしかたがありません。
お父さんも、いつか家族が戻ると信じて、
部屋をそのままにしています。




離婚を理解し、自分で自分の道を選択できるほど
大きなお子さん向けの本です。
両親の辛さや、新しい家族との対比、少年の成長が
ユーモアも交えて描かれています。
本の中には、誰も悪い人はいません。
お母さんが読むと、また違った読み方ができるでしょう。